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転ばぬ先の知恵

2023年06月 月間アーカイブ
お墓について
2023/06/24放送
出演者
NPO法人 山口県終活支援協議会 理事長 徳沢靖さん

◆今日はNPO法人山口県終活支援協議会理事長、徳沢靖さん、通称「とくさん」にお越しいただきました。とくさん、おはようございます。
 
◇おはようございます。
 
 
◆今日は何についてお話しいただけますか?
 
◇「お墓」について、お話ししようと思います。以前にもお話したことはあるのですが、今日は少し内容を変えてお話しします。
まず「お墓」とは何かということなんですが、簡単にいうと亡くなった方を弔うためのご遺骨の収蔵場所です。よってその形態として一般的な石を積み上げたお墓、納骨堂、樹木葬、合祀墓などがあります。また、これはお墓ではありませんが、海洋散骨や宇宙葬、またご遺骨を加工してペンダントなどにして持ち歩くなど、一昔前の日本の伝統的な考え方からは、ここ最近、大きく変わってきました。
 
 
◆そうですね。いろいろな形態が出てきましたね。
 
◇実はこれ、「終活」という言葉が始まった20年前からのことで、「終活」により過去の概念を大きく変えることが悪いことではないという意識が芽生えたのではないかと言われています。
 
 
◆そうなんですか。
 
◇また、少子化や人口の都市部への集中により承継者のいない墓が問題になっており、せっかく建立した墓を解体する、いわゆる墓じまいがブームとも言える状態で増えています。私たちが不特定多数の方を対象に終活相談会を開催すれば全体の8割ほどは、墓じまいが絡んだ相談になります。
 
 
◆8割ですか。お墓のことでお悩みの方は多いんですね。
 
◇また、市営墓地も以前であれば年一回の抽選会でなかなか当たらなかったのですが、今はほとんどの自治体で申し込めば、すぐに墓用地が手に入る状態となっています。また、町内会などが運営する、「みなし墓地」や「地区墓地」と言われる墓地も墓じまいで更地になっていたり、手入れがされず草の中に埋もれてしまった墓を多く見ることができます。
 
 
◆なるほど。少子化や遠くに住んでいるため、さらに高齢化もあり、お墓の状況は変化しているんですね。草に埋もれたお墓を見かけることもよくありますね。
 
◇このように放置された墓は実は非常に危険な場合があります。特に斜面に建立された墓は長年の放置により草や木の力で墓石が動き、極めて重い墓石が倒壊して斜面を転がり落ちてくる事案が県内でも発生しています。幸い被害はなかったのですが、いつ大きな被害が出てもおかしくありません。そうなると責任は墓の管理者、要するに墓の承継者にかかってきますので、何年も墓を放置している方があれば、ぜひ一度、墓参りを兼ねてお墓の確認をすることをお勧めします。
 
 
◆地震で倒れたお墓をテレビで見ることもありますよね。自分の家のお墓は確認しておくことが必要ですね。
 
◇そして墓じまいが必要と判断した場合の手続きなどについて説明します。まずは石材店に墓の解体について見積もりをとりましょう。その際に墓じまい時に必要となる「骨上げ」や「改葬手続き」、市営墓地などで必要となる工事完了報告などの手数料なども一緒に見積りましょう。
 
 
◆今、「骨上げ」と「改葬」という言葉が出てきましたが、それぞれどういうことですか?
 
◇骨上げとは、読んで字のごとく、お墓からご遺骨や骨壺を取り出すことです。また、改葬とは墓じまいをする墓から他の埋葬場所へご遺骨を移動することです。骨上げは自分でできなくもないのですが、墓から骨壷を取り出すのは意外と難しく、特に古い地下型と言われる墓では墓穴に潜り込まなければならないようなものも多くあり、基本的には専門家に任せる方が無難です。
また、改葬手続きは自治体ごとに様式が違うため、建立している場所を管轄する市役所や町役場に行くかインターネットで様式を取り寄せて記載します。ただ県内ですと下関市役所だけは専用の用紙を使用するためインターネットでの取得はできませんので注意して下さい。そして、これらの記載内容は故人の氏名や命日などを記載するもので、特には難しくありません。故人の命日については位牌や過去帳に書かれていますので、確認して下さい。
 
 
◆「墓じまい」や「改葬」の手続きはきちっとしておきたいですね。
 
◇次に墓じまい後のご遺骨について、次の安置場所を考えなければなりません。手元供養という方法もありますが、できれば納骨堂などの安置施設に預けるのが良いかと思います。納骨堂は清掃などの管理もいらず、ご供養もお任せできる施設が多いため、まさに現代の社会環境にマッチした施設だと言えると思います。また、納骨堂もいろいろなバリエーションがありますので、インターネットなどで調べてみるのもいいかと思います。
 
 
◆自分及び家族、そして次の世代のことも考えて「お墓」をどうするかを考えることはとても大切なことですね。
 
◇最後に、石のお墓を建立することを計画されている方へ。お墓を建立する場合は必ず認められた墓地に建立して下さい。墓地とは自治体・公益法人・宗教法人により指定されている場所で、安全性や衛生面などが審査されていますので安心して建立できます。自宅の土地に墓を建立される方がありますが、土地の安全性について審査されておらず、先に述べました思わぬ災害となる場合もあります。そのため墓地の規定は墓地埋葬等に関する法律により決められています。また、「みなし墓地」「地区墓地」については原則として、その地区の住人の方だけしか建立できませんので、気をつけてください。
 
 
◆大切なことですね。とくさん、時間が来てしまいました。今日は大切なお話、ありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。

住まいの片付けのやり方
2023/06/17放送
出演者
有限会社美祢環境クリーン 代表取締役 大谷龍夫さん

◆今週も先週に引き続き 有限会社美祢環境クリーン代表取締役 大谷龍夫さんにお越しいただきました。大谷さん、おはようございます。今週もよろしくお願いします。
 
◇おはようございます。
 
 
◆今週のテーマは『住まいの片付けのやり方』ですね。よろしくお願いします。
 
◇家財の片付けの実際についてお話しいたします。まずは当社にご依頼がありました内容の一部を紹介いたしますと、「家の中の物を買い取ってほしい」「家の中の物を処分してほしい」「家の周りの植木鉢を処分してほしい」「外に倉庫があるので、中の物を処分して解体してほしい」「庭木を切ってほしい」「家電を処分してほしい」「形見の品や探し物をみつけてほしい」「仏壇や人形をお焚き上げしてほしい」「特殊清掃をしてほしい」などなどです。
 
 
◆様々な依頼があるんですね。家財を買い取ることもあるのですか?
 
◇ありますよ。高価な貴金属や古美術品などご依頼いただくこともあります。専門家でないと査定できない場合は写真を送って専門家に査定していただいたり、別途専門家を派遣したりして買い取り額をお客様に直接お伝えします。他には比較的新しい物については買い取って欲しいということがありますので、査定して古物台帳に記載して買い取りさせていただいています。
 
 
◆家財を買い取られることもあるんですね。「お焚き上げ」とは何ですか?
 
◇お焚き上げとは、仏壇や神棚、お人形・ぬいぐるみ、お札、写真などを集めて神社仏閣で宗教的な儀式を行っていただき供養するということです。私たちがお客様からお預かりして神社仏閣へ運びお渡ししてお気持ち代を添えてお祓いをしていただきます。
 
 
◆分かりました。
 
◇次に当社が「住まいの片付け」をお引き受けした場合、家財の取り扱いについての対応をご紹介します。
 
・金銭的価値のあるもの(現金、預金通帳、印鑑、不動産権利書、土地家屋図面、骨董品、レア物、テレフォンカード、切手、古銭、記念コイン、貴金属など)は、当然ですがお客様へ全てお渡ししています。
 
・古美術品については、当社提携の専門家がありますので、直接お話ができる窓口をご紹介させていただきます。
 
・形見の品や探して欲しいものは、あらかじめヒアリングさせていただく中で記録し、作業する者全員で共有し見つかればお客様へ報告しお渡しします。
 
・お焚き上げは神社仏閣でサポートしてくださるところへ依頼します。
 
・専門家が必要な場合は外部へ依頼します。例えば大量のゴミ処分となると一般廃棄物収集運搬許可業者を紹介し依頼サポートします。そして、当社では、コンプライアンス遵守、お客様のご要望優先、お客様資産の活用について考えたうえで住まいの片付けを行っております。
 
 
◆なるほど。美祢環境クリーンさんの丁寧な対応の仕方はよく分かりました。他の同業者さんも同じような対応なのでしょうか?
 
◇そうですね。大きくは変わらないと思いますが、各社、出来ることと出来ないことの違いもありますので、よくご相談されたほうが良いと思います。
片付けをする上でのポイントをいくつか紹介させていただきましたが、これをご自分でするか専門家にお願いするかということを決める必要があります。片付けで気になるのは費用がどれくらいかかるのかだと思いますので、まずは専門業者に相談して、見積もりをとってみて考えることで前に進むことができると思います。
 
 
◆そうですね。専門家に片付けについて相談し、費用を聞きながら「自分でやること」「関係者でやること」「専門家にやってもらうこと」を分けるのもいいかもしれませんね。
 
◇そうですね。勿論費用も大切なことですが、費用だけで判断するのではなく、本当に寄り添って提案を考えてくれる専門家を選ぶことも自分にあったやり方だと思います。
 
 
◆そうですね。親身になって一緒に考えてくれる専門家がいると心強いですよね。
 
◇そうですね。それから「これまで必要な家財として蓄えてきた物とどう向き合うか」という視点も片付けのポイントになると思います。
 
<家財一つ一つを捨てるか捨てないか?>

捨てない→売るか売らないか?

売る→リサイクルショップへ査定を依頼(来てもらうか、持っていくか)するか、知り合いに買ってもらうか

売らない→自分が使うか使わないか?→家族が使うか使わないか?→親戚が使うか使わないか?→お友達が使うか使わないか?

捨てる→自分で捨てるか業者に依頼して捨てるか?(処理費用は自分で捨てる方が出費が少ない。ただし労力はかなりかかる。業者は代行業務なので費用は当然必要)

何れにしても残ったものは置いておくか、処分するしかありません。
判断するには家財の持ち主の決断が必要ですが、その答えを出すには時間がかかると同時に、出した答えを腑に落とすにはそれなりの理由と覚悟が必要!です。
 
 
◆片付けは、家財を冷静に仕分けすることと決断が必要ということですね。大谷さん、今日は「住まいの片付け」についてよく分かりました。そして2週にわたりご出演いただき、ありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。

あなたのお家の資産、気持ちよく循環します
2023/06/10放送
出演者
有限会社美祢環境クリーン 代表取締役 大谷龍夫さん

◆今日は有限会社美祢環境クリーンの代表取締役 大谷龍夫さんにお越しいただきました。私と同じ苗字でもあり、以前から親しくさせていただいております。大谷さん、よろしくお願いします。
 
◇よろしくお願いします。
 
 
◆では、まず、大谷社長と有限会社美祢環境クリーンを紹介します。
大谷社長は昭和39年美祢市でお生まれになり、38歳の時に有限会社美祢環境クリーンを設立。一般および産業廃棄物運搬業として地球環境保全に貢献することを会社の存在意義と考え、努力されておられます。
また、「住まいるマイスター」としてお部屋・お家の片付け、生前整理・遺品整理・空き家整理の事業も積極的に行っておられます。趣味はゴルフ・魚釣り・旅行・ドライブ・温泉めぐりと多趣味です。
ということですが、大谷さん、今日はどのようなお話しをしていただけるのでしょうか?
 
◇はい。今日は「住まいるマイスター」として『あなたのお家の資産、気持ちよく循環します』というテーマでお話しさせていただきます。
 
 
◆「住まいるマイスター」という言葉は、すっと耳に入ってくる良い言葉ですね。
 
◇ありがとうございます。「住まいるマイスター」は当社が商標登録しております当社独自の言葉なんです。
 
 
◆詳しく教えていただけますか。
 
◇当社がよく受ける依頼として、「相続で実家を片付けなければならないので見積もりをしてほしい」ということがあります。実際に見積もりに行ってみると要望は様々ですが、大まかに3パターンに分けられます。
一つ目はどこから手を付けていいのか分からないので、全部片づけてもらった場合、どれくらい費用がかかるのか?というもの。
二つ目は、少しは片付けてみたものの大変なので、残り全てを片付けてもらいたいが、どれくらい費用がかかるか?というもの。
三つ目は、ほぼ自分たちで片づけたが大物家具やどうしても自分で片付けられないものを片付けるとどれくらい費用がかかるのか?というケースです。
 
 
◆遺品整理の依頼、問い合わせもさまざまでしょうね。
 
◇見積もりにお伺いした時にいつも感じさせられるのが、相続という意味です。親の生きている間はお家にあるものは片付けづらいというお話をよく聞きます。親にとっては自分が生きてきた証が家にあるものだという思い。子供にとっては今必要ないものはゴミだ。後で自分がすべて片づけなければならないので大変という思い。親が元気な内に手をつけたいが話すとケンカになるから話はしないというお悩みをよく聞きます。
 
 
◆そうなんですか。お互いがよく話せば分かり合えるような気がしますが。
 
◇そうなんです。親ときちんと向き合えれば、相続時の片づけはさほど大変ではなくなると思いますし、片付け費用についても心づもりができているので心中は穏やかです。反対に親と向き合えていない場合、片付けは大変になりますし、後で片付ける場合、不満な心中で片付けを行うことになりますので親への不満や費用が高いという話に気持ちが持っていかれます。
 
 
◆そうですよね。
 
◇このようなこともあり、思い出の品を整理する時間をつくり親子で話す機会をつくって欲しいと感じます。
 
 
◆すごく大切なことだと思います。一般的に子どもは親の歩んできた人生の知らないことが多いと思います。しかし、親が元気な内に、残しておきたい物と要らない物を分別して整理してくれると、残したい物の話から知らなかった親の想いに触れることが出来るかもしれません。また、聞いたことのない人生のエピソードや、今後、希望することを聞くことが出来るかもしれません。物を通して大切な親子の時間をつくることが出来れば素晴らしいことだと思います。
 
◇そうですね。相続では家財や不動産(土地・建物)や現預金、借金などが取り上げられます。何か起こってから対応するしかないケースもあるかもしれませんが、事前に対応できることがあれば対応した方がよいかと感じます。
新型コロナウイルスのため、実家に帰ることも難しく会う機会も少なくなった近年。また、親子であってもますます距離が遠くなりそうな時代です。今から、親子で話す準備しておきましょう!
 
 
◆そうですね。大谷さん、時間がなくなってきました。最後にまとめてください。
 
◇お家にあるものはすべて資産。資産をわかりやすくいうと財産。財産はプラスの財産と、マイナスの負債があります。プラスの財産は利用価値がありお金に換えられるもの、マイナスの負債は利用価値がなく不用品として廃棄処分するしかないものです。とかく遺品整理というと範囲が家財にのみ注目しがちですが、大切なのは家をどう整理し資産として活用していくかということです。
我々遺品整理業者はこれまでの経験からお困りの方にサポートできることがたくさんあります。是非お家の資産についてお悩みがある場合は、お気軽にご相談いただきたいと思います。
 
 
◆そうですね。専門家に相談してみることは大切なことですね。大谷さん、今日は大切なお話、ありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。

地域包括支援センターについて
2023/06/03放送
出演者
周南西部地域包括支援センター(いきいきさぽーと周南西部) センター長 金池(かないけ) 聡(さと)志(し) さん

◆先週は「地域包括ケアシステム」について学びました。「地域包括ケアシステム」とは、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自分らしく自立した日常生活を送るために医療、介護、予防、住まい及び生活支援の各サービスが一体的に提供されるよう、地域全体で支え合う仕組みのことでしたね。
そしてその中心となる場所が「地域包括支援センター」ということで、今日は周南西部地域包括支援センター(いきいきさぽーと周南西部) のセンター長、金池(かないけ)聡(さと)志(し)さんにお越しいただきました。
 
◇よろしくお願いします。
 
 
◆改めまして「地域包括支援センター」とはどういう場所ですか?
 
◇「地域包括支援センター」は、高齢者の健康や生活に関する相談を受け付ける総合相談窓口です。保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員の3職種が配置されており、専門知識を持った職員が様々な相談に応じています。高齢者本人だけでなく、高齢者を支える人たちも利用できます。
 
 
◆「地域包括支援センター」は高齢者の総合相談窓口ということですね。本人だけでなく、家族や関係者の方が相談してもいいんですね。
 
◇はい。そしてセンターは全ての市町に設置されています。行政直営のセンターもありますが、行政から委託された社会福祉法人、医療法人、社会福祉協議会等が運営している事もあります。山口県内には現在63か所あり、それぞれのセンターで、高齢者が住み慣れた地域で安心してその人らしい生活を継続していくことができるよう支援をしています。
 
 
◆すべての市町にあるんですね。高齢者のことであれば何でも相談できるとのことですが、具体的にはどのような相談に対応できるのですか?
 
◇地域包括支援センターは地域の高齢者を支えるために4つの業務を行っています。
1つ目は「介護予防ケアマネジメント」と言われるもので、要支援と認定された人などへ介護予防の支援をしています。
2つ目は「総合相談」で、高齢者の病気・介護に関する事だけでなく、日常生活の困りごとの相談にも対応しています。
3つ目は「権利擁護」と言われるもので、判断能力が低下した方の金銭管理や虐待などの問題に対応します。
4つ目は「包括的・継続的ケアマネジメント」と言われるものです。専門家や地域住民などのネットワークをつくり、高齢者が暮らしやすい地域を作る取組をしています。地域の現状や課題を把握し、必要なサービスを検討するために、小地域での地域ケア会議の開催や事例検討会や勉強会等を通じて、地域の関係機関が顔の見える関係づくりを行っています。
 
 
◆まとめますと、要介護状態にならないように「介護予防」の支援・指導、日常生活全般の困りごとの相談の対応、判断能力が低下した方の権利を守る支援(これは「成年後見人制度」の利用の支援などになりますかね)、そして高齢者が暮らしやすい地域をつくるために現状や課題を把握し、専門家や地域住民のネットワークをつくるなどトータル的・継続的な取り
組みをされているんですね。素晴らしいことですね。
 
◇ありがとうございます。頑張ります。先ほども申し上げましたが、地域包括支援センターでは、高齢者ご本人からの相談はもちろん、ご家族や友人、近所の方からの相談も受け付けています。気になる事があれば、高齢者ご本人が住んでいる場所の地域包括支援センターに相談してください。本人や周囲が困る状況であっても、高齢者自身はまだまだ大丈夫と思っていたり、他人に頼ることに抵抗を感じていたりして、相談しないケースが多くあります。
皆さんの周りの高齢者で「以前できていたことができなくなってきた」「最近様子が変わってきた」など、変化を感じる方がいたら、早めに相談をしてください。地域包括支援センターでは、今は支援が必要ない方に対しても、現状を維持し、悪化を防ぐための色々なアドバイスや情報提供ができます。今後の見通しが持てると、周囲も安心して「今できること」のサポートに取り組めます。
 
 
◆周りの人が気づいて、早目に「地域包括支援センター」に相談することも大切ですね。現状で問題点などはありますか
 
◇近年「8050問題」と呼ばれる、高齢の親とひきこもり状態の50代の子が同居している世帯が増加しています。こうした世帯では、収入や介護などで親子ともに生活が困難になることが多くあります。今まで生活上の支援を親から受けていた子が親の介護をする必要が出てきた時に十分な介護ができない、相談すらできない状態陥ることがあります。また、精神的に不安定な状態にある方もいらっしゃるため、他者からの介入がスムーズにいかないケースも多くみられます。このように、複合的な課題を抱えた世帯に対しては、高齢者本人だけでなく家族への支援を行うこともあります。
 
 
◆「8050問題」は聞いたことがあります。こういう親と子の状況は難しいでしょうね…。まさに「地域包括支援センター」を中心に専門家、地域住民挙げての対応が必要となりますね。
 
◇そうですね。
 
 
◆まだまだ課題は出てくるかもしれませんが、とにかく高齢者に関することは近くの「地域包括支援センター」に相談するということが大事ですね。
 
◇そうです。本人でなくても大丈夫ですので、何でも相談してください。
 
 
◆分かりました。今日は「地域包括支援センター」について勉強しました。金池さん、ありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。