ヤスベェの人生100歳満点!

転ばぬ先の知恵

2025年01月 月間アーカイブ
人生100年時代、夢を描いて
2025/01/25放送
出演者
下松市シルバー人材センター 貞廣安彦さん

◆今週と来週は「シルバー人材センター」で生き生きと働かれているシルバーの方にご出演いただき、その様子を詳しくお伺いしてみようと思います。今日は公益社団法人「下松市シルバー人材センター」会員の貞廣安彦さんにお越しいただきました。貞廣さん、おはようございます。
 
◇おはようございます。
 
◆まずは貞廣さんのプロフィールを簡単にご紹介しましょう。貞廣さんは山口県周南市のご出身で大学卒業後に広告会社に入社、東京でデザイナーをされていました。その後帰郷され35歳の時、下松市にケイズ・プロモーションというデザイン事務所を設立、デザインプロデューサーとして地域づくり活動に積極的に参加され、同時にデザイン専門学校の設立にも関与、退官まで副校長をされていました。退官後は書芸家(近代詩文作家)として現在も活動を続けられています。年齢は67歳。という貞廣さんですが、シルバー人材センター入会のきっかけを教えてください。
 
◇はい。長男がバドミントン選手で学生の時、センターの入っている下松市勤労者総合福祉センターの体育館をよく利用していました。私はその送迎役で、待ち時間に掲示板を見ていました。そこに“入会案内”があったのが、きっかけです。
 
◆なるほど。息子さんの送り迎えの時にシルバー人材センターの入会案内を見られ、興味を持たれて入会されたということですね。現在、センターではどのようなお仕事をされているんですか?
 
◇はい、筆で文字を書く筆耕班に所属しています。下松市等、行政の賞状書きや企業からの筆耕依頼を中心として行っています。同時にイベント出展をして書芸作品の展示販売、書芸パフォーマンスも披露しています。私自身の特色を活かせて、とても有意義です。
 
◆ほ~、これは今までの方とは違いますね。シルバー人材センターの仕事として筆で文字を書く「筆耕」をされ、イベント開催時にはご自分の書芸家としてのPRも併せて行っておられるということですね。
 
◇そうです。
 
◆イベントに出展できると、そのイベントの幅が広がり、盛り上がりの助けになるとともに、作品の販売にも繋がりますね。シルバー人材センターの仕事と書芸家としての仕事を両立させるというやり方もあるのですね。面白いですね。貞廣さん、センターの仕事とご自分の仕事でお忙しそうなのですが、元気の秘訣を教えてください。
 
◇はい。常に“次の夢”をもって、“目標”を掲げて、“好きな事”を追いかけています。やりたい事、やるべき事を考えて実行するのが元気の秘訣です。また私が所属する下松市シルバー人材センターには経験豊富な先輩方が多く、会話をすると元気になります。活力をいただいています。
 
◆素晴らしいですね。センターの方々から元気・活力をもらい、ご自分の夢・目標の糧にする、まさにアクティブ・シニアの鏡のような方だと思います。貞廣さん、プライベートの過ごし方や趣味などはどうですか?
 
◇はい。休日も書芸活動を中心に、県内各地でイベント出展する機会が多いのですが、空き時間ができたら気の合う仲間とアウトドア(釣り、キャンプ)を楽しんでいます。そして家族との旅行が大好きです。
 
◆いや~、仕事も遊びも活動的で楽しんでいらっしゃるようですね。また家族を大切にされていることは良いですね。最後にシルバー人材センターに対する思いなどありましたら、お願いします。
 
◇はい。筆耕の仕事がありますのでセンターには定期的に顔を出していますが、職員の方も会員の方もみなさん優しくて面倒見がよく、アットホームな感じです。私は大好きな場所なので、多くのシルバー世代の方々に活用していただき、もっともっと健康で長生き出来たら…サイコー!!です。
 
◆本当にそうですね。楽しく働くことが出来、健康で長生きしたいものですね。貞廣さん、今日はシルバー人材センターの仕事とご自分の仕事をうまく連動させているお話を聞かせていただき、ありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。
 
◆「シルバー人材センター」は山口県内17の市町に14のセンターがあり、60歳以上の健康で働く意欲のある方ならどなたでも会員になれます。ご興味のある方はお住まいの地域のセンターが開催する入会説明会に参加されるか、公益社団法人 山口県シルバー人材センター連合会 ℡083-921-6070にご連絡ください。

高齢者を対象とした犯罪情勢
2025/01/18放送
出演者
NPO法人 山口県終活支援協議会 株式会社かなやご企画 徳沢遼さん

◆今日は当番組ではお馴染みの徳沢靖さんの息子さん、徳沢遼さんにお越しいただきました。おはようございます。
 
◇おはようございます。
 
◆徳沢遼さんは、お父さんの靖さんと一緒にNPO法人 山口県終活支援協議会および株式会社かなやご企画で「終活」の仕事をされています。遼さんは昨年5月、「終活カウンセラー協会」の「認定終活講師」の資格を最年少で取られました。今はどんなことをされていますか?
 
◇はい、認定終活講師の資格を無事に取得し、昨年11月に初めて講師として講義を行いました。かなやご企画としては、死後事務委任契約や見守り契約を社長である父とともに推し進めて実際に契約や見守りをしています。
 
◆分かりました。さて今日はどのようなお話をしてもらえますか?
 
◇はい。今回は「家族で行う終活」というテーマでお話ししようと思います。
 
◆ほう、「家族で行う終活」ですか。新しい視点のような感じがしますね。ではよろしくお願いします。
 
◇分かりました。今回私の言う家族で行う終活、というのは、先に結論から言ってしまいますと「自分の終活を家族に伝えてあげる」ということです。終活をするにあたって、意識してほしいことが1つあります。
 
◆何でしょう?
 
◇それは、自己満足だけで終わらせない、ということです。例えば自分の体がちゃんと動くうちに家の荷物を整理する、いわゆる断捨離をすることも終活の一環として大事だと思いますが、その時にアルバムの写真や思い入れのある品物といったものはなかなか捨てられないし、残しておきたいと思う方が多いと思います。しかし残される側からすると、写真があるのはいいけどこれは何の時の写真だろうかとか、本人には思い入れがある品かもしれないけど残された家族にはこれが何なのか分からない、ということにもなりかねません。この写真はどこそこでこんなことがあったときに撮ったものだとか、この一品は昔旅行先でこんなことがあって買ったものだといった、「思い出」については語り継がないと引き継ぐ側にはなにもなかったことになってしまいます。
 
◆その通りですね。その写真や品物のことが分からないと懐かしんだり、そういうことがあったのかと思いを馳せたりすることが出来ませんからね。
 
◇そうですね。しかし、語り継ぐのが面倒とか、そこまでの思い入れがないからといってすべて捨ててしまうと、逆に残される側の人からすると、亡くなったお父さんお母さんの遺品整理をしてみたら全く物も写真もないと思い出を偲ぶ時間もなく、ただ突き放されたように感じてしまいかねません。大切な人を亡くした後に感じる悲壮感や苦痛といったものを和らげることを「グリーフケア」というのですが、その観点からみても思い出をすべて切り捨てるというのはお勧めできません。
 
◆故人を偲ぶ物が何の無いのは、とてもさみしいことですね。
 
◇もちろん、ご家族の関係性や生活環境の違いもあるとは思うので、すべてを言葉で伝えることが難しいこともあると思います。そこで自分の人生を振り返るという意味も込めて、写真の裏にいつどこで撮った写真だ、というのを書いて整理したり、エンディングノートを活用してあの品物はこういった由来があるものだ、ということを書き示したりしておくのも有効な手だと思います。
 
◆遼さんのようにお父さんと一緒に仕事していると、色んなことが聞けるでしょうし、逆に質問することも出来ますが、今ではこういう関係は珍しく、親子が離れて生活していることも多いですからね。
 
◇そうですね。そしてエンディングノートを活用する際にはエンディングノートを書いて満足するのではなく、どこに置いてあるかということだけは是非伝えておいてほしいと考えています。終活について話す人の中には、エンディングノートには法的効力がないから遺言書や公正証書を作ったほうがいい、と言われる方もいらっしゃいます。私自身もそれ自体は間違ったことではないと思いますが、エンディングノート、特に終活カウンセラー協会が発行している「マイウェイ」には、自分の思いを書く欄が用意されています。終活をするうえで大事なことは、自分の人生をよりよく自分らしく生きていくことですので、人の感情というのは特に重視しておくべきことだと私は考えています。
 
◆私も自分の思い、家族への思いを残しておくことはとても大事なことだと思います。
 
◇相続や埋葬といった法的に手続きが必要なことについては早く進めないといけないこともありますが、心の安寧、また前を向くきっかけとして思い出話というのは非常に大きな力を持っています。実際に私の祖父が亡くなったときに、親戚が集まってアルバムをめくりながらみんなで思い出話をする時間があったのですが、悲しい気持ちはもちろんありましたが、みんなで集まって笑いながら思い出を語る時間ができて、だいぶ気持ちが安らいだと実感しました。その思い出話も、亡くなった祖父としっかりと思い出話を共有していた叔父が主体となって話が広がっていきました。もし誰もその思い出を知らなかったら、ただ写真を眺めてこれいつの写真だろうね、で終わっていたと思います。しかし私はこの時に思い出話で心安らいだと実感したからこそ終活においては特に人の気持ちというのは大切なものだと考えています。
 
◆いいお話ですね。とても大事なことだと思います。
 
◇いざその時になって、あの時ああしておけばよかった、もっとこんな話をしておけばよかった、と後悔しても文字通りどうすることもできません。事務的な面での終活も大事ですが、せっかくなので家族という単位で、自分たちの思いを共有し後の世代につないでいくことを終活の一環として考えてみていただけると、皆様の今後の人生をより豊かに生きていく一助になるのではないかと思います。
 
◆核家族化が進んでいる今だからこそ、家族の思いを共有することは大切なことですね。
 
◇はい。ただ どうしても事務的な面もやっていかないといけないのは間違いないので、そういった部分については我々のような専門家に相談するのもいいのではないかと思います。終活を自己満足で終わらせず、家族と共有していくことで、今後の人生をお互いによりよくして行けるように活用してもらえたらと思います。
 
◆「究極の終活は親子の会話である」という言葉を聞いたことがあります。自分の思いや家族への思いは、家族と共有しないと意味がないということですね。徳沢遼さん、今日は良いお話、ありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。

高齢者を対象とした犯罪情勢
2025/01/11放送
出演者
NPO法人 山口県終活支援協議会 理事長 徳沢靖さん

◆今週も先週に引き続き当番組の準レギュラー、NPO法人 山口県終活支援協議会理事長、徳沢靖さんにお越しいただきました。とくさん、おはようございます。
 
◇おはようございます。
 
◆先週の新年1回目は、お正月特別版として「山口県の神社」について話していただきました。大変興味深いテーマでしたが、2回目の今日はどんなお話でしょうか?
 
◇はい。今日は「高齢者を対象とした犯罪情勢」についてお話ししたいと思います。
 
◆重要なテーマですね。各メディアでよく報道されていますが、本当に高齢者を狙った犯罪は多い気がしますね。
 
◇そうなんです。このテーマは定期的にこの番組でも取り上げていますが、まずは「特殊詐欺」についてです。特殊詐欺の定義ですが、電話やメール、SNSなどの手段を使って、被害者を信頼させ、現金やキャッシュカードなどをだまし取る犯罪です。手口として「オレオレ詐欺」「還付金詐欺」「キャッシュカード詐欺盗」「架空料金請求詐欺」「金融商品詐欺」「ギャンブル詐欺」「交際あっせん詐欺」などがありますが、新手の手口がどんどん発生しており、発生した事件により犯人を特定していく手口捜査が通用しにくい状況にあります。いわゆるイタチごっこというやつですね。
 
◆本当にいろいろな「特殊詐欺」が次々に出てきますね。
 
◇一年前に非常に多く発生した、経済学者などの名前を語り会員を募る、いわゆる「SNS型投資詐欺」については激減しているのですが、SNSを利用した詐欺は新たな手口を含め、むしろ増加しているのが現状です。
 
◆一時期、被害金額も件数も非常に多かった「SNS型投資詐欺」は減ってきているんですね。
 
◇そうです。しかし以前は電話などの通話が中心であった「国際ロマンス詐欺」、いわゆる結婚詐欺などが増加し、今はSNSを中心に展開しているようです。結婚詐欺ですから若い方が中心かと思いがちですが、実は高齢者ほど被害が多くなっている傾向があります。その背景には高齢者のデジタルリテラシーの向上、要するに高齢者でもデジタルに対する技能が高くなっていることが挙げられます。
 
◆高齢者がスマホなどデジタル機器に親しむこと自体は良いことですが、それによって特殊詐欺被害に会うとは皮肉なことですね。
 
◇そうですね。実は私が行なっている見守り活動にもスマホを利用していまして、対象の高齢者には毎朝9時までに私あてにショートメールなどを送ってもらっています。もし時間までにメールがなければすぐに電話でご本人に連絡し、そこで電話に出てくれれば特に問題はないのですが、電話に出ない場合には私がご本人宅に駆けつけることになっています。また民間ではありますが、かなり大規模な高齢者向けインターネットサービスが開発中で、リリースが待ち遠しいものもあります。このように高齢者がデジタル技術を活用することは大切なことなのですが、一方、犯罪にも巻き込まれやすいということです。
 
◆そうですね。気をつけないといけないですね。
 
◇このようなデジタル技術を利用する特殊詐欺は高齢者のみが被害者になるのではなく、全世代的に被害者になりやすいのですが、結果的には経済的に余裕のある高齢者が高額な被害に遭う傾向にはあります。
 
◆「SNS型投資詐欺」などですね。
 
◇そうです。また先ほどの「国際ロマンス詐欺」なんてカッコいい名称になっていますが、実はこれ、被害申告が極端に少ない犯罪なんです。警察に被害届を出した場合、言いたくないこと、要はいい歳して鼻の下をのばしたと思われることを嫌がって被害を申し立てない傾向にあるようです。またこれもSNSやマッチングアプリが利用されており、騙されるまでの間に一度も声を聞いていないケースも多いようです。ただし美男美女の写真はたくさん送られてきているようです。
 
◆「ロマンス詐欺」は最近よく聞きますし、注意が必要ですね。
 
◇はい。さて最近問題になっているのが、特殊詐欺ではなく強盗や空き巣などの組織犯罪です。ニュースなどでは闇バイトなどと実行犯の若者たちを揶揄していますが、これは山口県でも多く発生しており問題となっています。
 
◆え~、光市の事件は驚きましたが、山口県でも多くなっているのですか?
 
◇はい。特徴として綿密な事前調査と集団犯行になります。事前調査の実態はなかなか分からないのですが、調査結果については対象となる家にマーキングをすることが多いようです。例えば「W9」と郵便受けの目立たない箇所に書かれています。意味としては「女性の一人住まい、毎日午前9時ころから外出」や「K2」高齢者二人住まい等です。
 
◆表札などに文字や数字などが書かれていると注意が必要ということは最近よく聞きますが、そういった意味があるのですね。
 
◇はい。これらは今後、空き巣などの被害に遭う可能性が高く、もし、このようなマーキングがあった場合には、すぐに警察へ通報してください。私もNPOの会員さんの家を回るときには必ずマークの有無を確認しています。書かれている場所は敷地内に入らなくても確認できる場所です。よって郵便受けもそうですが、ガスや水道の検針メーター、近くの電柱などもあります。また悪質商法のターゲットになる可能性も考えられます。十分気を付けましょう。
 
◆そうですね。我々もマーキングらしいものを見つけた場合は、警察に連絡するようにしましょう。
 
◇私たちNPO法人山口県終活支援協議会では徹底した防犯指導も行なっており、地域を回る包括支援センターや社会福祉協議会の皆さんにも防犯知識を向上していただきたく、ミニセミナーや個別相談を実施していく予定です。
 
◆とくさんは何といっても元警察官ですからね。よろしくお願いします。今日は大切なお話、ありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。

山口県の神社
2025/01/04放送
出演者
NPO法人 山口県終活支援協議会 理事長 徳沢靖さん

◆さて新年第1回は、皆さんお馴染み NPO法人 山口県終活支援協議会理事長の徳沢靖さんにお越しいただきました。とくさん、あけましておめでとうございます。
 
◇あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
 
◆こちらこそよろしくお願いします。とくさん、新年1回目の今日は、どのようなお話をしていただけますでしょうか?
 
◇今日は終活の話ではなく、お正月特別版として日本の文化の象徴とも言える「神社」について、お話ししたいと思います。 
 
◆「神社」ですか。新年にふさわしいテーマですね。よろしくお願いします。
 
◇分かりました。まず簡単に神社の歴史からなのですが、そもそも日本固有の宗教である神道の起こりは約3万8千年前の旧石器時代と言われています。なぜなら世界で唯一、祭祀のために用いられたと考えられる石器が発掘され 自然崇拝、アニミズムの考え方が強くあったことが伺えます。
 
◆え~、3万8千年前!神道の歴史は滅茶苦茶古いんですね。
 
◇はい。そして各地で行われた信仰も徐々に集権化していき、飛鳥時代から奈良時代にかけて伊勢神宮や出雲大社が建てられ、本格的な神社信仰ができてきました。その後、仏教と一緒に信仰される神仏習合時代を経て、明治時代に政府からの神仏分離令により現在の神社の形が整ってきたのです。
 
◆なるほど。
 
◇さてこのように長い歴史がある神社ですが、山口県内においても歴史と伝統のある神社が多く存在します。と、その前に豆知識として、みなさん、よく聞く「一宮」や「三宮」などの地名は、すべて神社から来ています。
 
◆そうなんですね。山陽本線の「新下関」駅ですが、前の駅名は「長門一宮(いちみや)」でしたよね。
 
◇そうですね。平安時代から鎌倉時代にかけて整った制度なのですが、全国の各国において神社に格付けをしました。基本的には国ごと、山口県で言えば周防国と長門国ということですが、中には郡部内において一の宮を定めたところもあるようで、地名のみが残っている場所もあるようです。
 
◆そうなんですね。
 
◇山口県においては周防国「玉祖(たまのおや)神社」、長門国「住吉神社荒御魂本宮」が一の宮とされています。ちなみに二宮は周防国では徳地にあります「出雲神社」、三宮は山口市の三宮にあります「仁壁(にかべ)神社」となります。長門国では下関市長府にあります「忌宮(いみのみや)神社」が二宮となり、三宮は複数あるようですが、有名なところでは下関市中之町にある「亀山八幡宮」となります。
 
◆やはり皆 有名な神社ですね。
 
◇はい。では山口県内での興味深い神社について紹介いたします。東からいきますと白蛇日本三大聖地の筆頭と言われている岩国市の「白蛇神社」です。ご祭神は宗像三女神とお稲荷さんとして有名な稲魂神です。稲魂神は弁財天のお使いで、宇賀神将という神様と同一神と言われ、金運・開運を運んでくれるそうです。弁財天との関係から神仏習合時代の古い歴史を感じますね。
 
◆今年は蛇年ですからね。「白蛇神社」へのお参りも多いでしょうね。
 
◇次に周南市の「児玉神社」です。この神社は日露戦争で大活躍をした児玉源太郎大将がご祭神です。ご利益は勝運の神、武運長久と言われています。近くには大華山の麓もあり、必勝を願って参拝される方も多いと聞いています。
 
◆当地出身の軍人、児玉源太郎を祀っている神社なんですね。
 
◇さて防府市ですが、ここは一の宮として紹介しました「玉祖神社」です。まず玉祖という難解漢字なのですが、ご祭神である玉祖神から来ています。玉祖神は天津神と言われる天の神様で、なんと三種の神器の一つである「八尺瓊勾玉」の制作者です。瓊瓊杵尊の天孫降臨に同行して地上界に降りられ、全国を旅された後、この防府市で亡くなられました。そしてその地に「玉祖神社」が建立されて今に至ります。そもそも勾玉は装飾品であり、玉という由来からメガネの制作者に広く崇拝されており、全国のメガネ関係者やファッション業界の方の参拝が多いようです。
 
◆そうなんですか。それは知りませんでした。
 
◇次に山口市ですが、ここは古熊(ふるくま)神社を紹介します。この神社のご祭神は菅原道真公ですが、副神として祀られている菅原福部童子の物語があります。福部童子は11歳のときに、左遷された父を慕って太宰府へ向いましたが、山口で病にかかり亡くなりました。童子は山口の地に祀られたのですが、地元の方々の尽力により道真公のご分霊を受け、古熊神社に親子でお祀りされています。今は仲良く親子で山口市の守護を担っていただいています。
 
◆良いお話しですね。「山口の天神さま」として親しまれていますね。
 
◇さて宇部市、ここはこの神社しかありません。宇部護国神社の末社として境内に建立されている「金家来(かなやご)」神社です。ご祭神は「金屋子神」ですが、山口県では唯一のご祭神だと思います。金屋子神は元々奥出雲にありますタタラ製鉄所の守護神で製鉄の神様です。あまりメジャーな神様ではないのですが、実はジブリ映画の「もののけ姫」において登場するタタラ場の女頭領が「金屋子神」をモデルにしたと言われています。古事記にも登場しており、伊弉冉神が最後に産んだ神が金屋子神です。「金家来」神社については「金(金が)家(家に)来(来る)」と書きますので、ご利益はもう分かりますね。
 
◆ 金運ですね。
 
◇はい。最後に下関市長府の「忌宮神社」です。この神社の歴史は古く、第14代仲哀天皇の時代、なんと首都が下関市のこの地に遷都されました。そこで戦勝行事である奇祭、数方庭祭(すほうていさい)などが行われています。ご祭神は仲哀天皇とそのお后である神功皇后と第15代の応神天皇、のちの八幡神ですね。
 
◆数方庭祭は有名ですね。
 
◇以上神社にも色々と歴史がありますし、色々なご祭神が祀られています。まだ、初詣が終わっていない方、2番詣の方も各神社の御由緒に注目されてみてはいかがでしょうか。
 
◆今日は、山口県内の神社のいろいろなお話しを聞くこと出来、大変楽しかったです。皆さんも紹介のあった神社の内、行かれたことのない神社がありましたら行ってみてはいかがでしょうか?私も行ってみようと思います。とくさん、今日はありがとうございました。
 
◇ありがとうございました。